東京オリンピック
職場の同僚の妹さんが、東京オリンピック陸上女子100mミクロネシア代表に決定したお祝いに誘っていただきました。ミクロネシアのお祝い事では、必ず豚の丸焼きを伝統的な方法で調理し、参加者に振舞います。これまでに職場で何度もその伝統的な調理方法を見てみたいと話していたせいもあってか、家族でその貴重な場に参加することができました。
さっきまで元気に動き回っていた豚が、あっという間に調理場に運ばれていく様子は、日本ではなかなか見ることができない貴重な経験だと感じました。ポンペイ島によく見られる、非常に密度の大きい火成岩をヤシの実の殻で1時間ほど焼き、その岩の上にパンの実と豚を乗せ、さらにその上に何重ものバナナの葉を重ねていきます。
焼きあがるまでには1時間以上かかるとのことなので、それまで子供たちはかけっこをしたり海で泳いだり自由に過ごします。
海で泳いでいる時も、ミクロネシアの人々は私たちにヤシの実のジュースを差し入れてくれるなど、気を使っていただき本当にありがたかったです。
蒸し上がった豚は、非常に柔らかくておいしくて本当に驚きました。その美味しさから、お祝いの席で食べる特別な料理であることに納得できました。
また、最後にポンペイ島の伝統的な飲み物であるサカオの制作を見学することができました。サカオはコショウ科の植物の根を細かく刻み、その絞り汁からできています。鎮静作用があり、ポンペイの人々は好んでよく飲んでいます。このお宅では電動ミキサーを使って大量にサカオを製造し、町の中心部で販売しているそうで、その貴重な製造過程をすべて見学することができました。試飲させていただくと、唇や舌が痺れ、アルコールとは少し異なる不思議な感覚でした。
単純に時間だけ見ると朝早くから夕方まで長時間にわたりましたが、それを感じさせない非常に貴重で有意義な1日を過ごすことができました。オリンピックに参加することが決まった妹さんとは、必ずまた東京で会おうと約束しました。東京オリンピックでの彼女の活躍を期待したいです。