ミクロネシアの数学教育

2018年度1次隊シニア海外ボランティアとして、ミクロネシア連邦で数学教育に携わります。

図形に関するワークショップ

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正六角形の描き方

 ミクロネシア連邦の学校では6月から8月中旬までが夏休みとなっております。そのため、生徒のいないこの時期を利用して、教員対象のワークショップを開催してみました。
 

首都があるポンペイ島の町の中心街にある私立小学校で企画したところ、20名の先生方に集まっていただきました。私のカウンターパートと、共に活動している青年海外協力隊員3名の協力をいただきながら実施してみました。


 ものさしやコンパスなど、道具が必要となる図形の単元では、教材不足を理由に、授業で取り上げることができないことが多いようです。そのため、先生たち自身もコンパスやものさしの使い方を十分に理解していない方も多いようでした。


 導入として、日本の家紋を取り上げてみました。なぜなら日本の家紋はものさしとコンパスだけで、あれだけ複雑な図形が描かれています。ものさしをコンパスの使い方を理解すれば、様々な創造性豊かな図形を描くことができる例として取り上げてみました。

 

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コンパスの持ち方の説明

 

 まずはコンパスの持ち方から始めて、円、正三角形、垂直二等分線など、様々な図形を描くことに挑戦してみました。

 

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熱心に取り組むミクロネシアの先生方

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自分自身の家紋を作り出す先生も


 最初はぎこちない手つきの中、円すらうまく描けない状態でしたが、その前向きに積極的に取り組む姿は素晴らしく、しばらくすると、見事な正方形や正六角形を描けるようになっていました。そして何より終始、笑顔で取り組んでいる様子がうかがえ、数学的に図形を描くことの楽しさを味わっていただけたのではないかと思います。そして最後には自分独自の家紋を描く先生も現れました。この楽しさをぜひ夏休み明けの授業で活かしていただければと思います。