図形に関するワークショップ
ミクロネシア連邦の学校では6月から8月中旬までが夏休みとなっております。そのため、生徒のいないこの時期を利用して、教員対象のワークショップを開催してみました。
首都があるポンペイ島の町の中心街にある私立小学校で企画したところ、20名の先生方に集まっていただきました。私のカウンターパートと、共に活動している青年海外協力隊員3名の協力をいただきながら実施してみました。
ものさしやコンパスなど、道具が必要となる図形の単元では、教材不足を理由に、授業で取り上げることができないことが多いようです。そのため、先生たち自身もコンパスやものさしの使い方を十分に理解していない方も多いようでした。
導入として、日本の家紋を取り上げてみました。なぜなら日本の家紋はものさしとコンパスだけで、あれだけ複雑な図形が描かれています。ものさしをコンパスの使い方を理解すれば、様々な創造性豊かな図形を描くことができる例として取り上げてみました。
まずはコンパスの持ち方から始めて、円、正三角形、垂直二等分線など、様々な図形を描くことに挑戦してみました。
最初はぎこちない手つきの中、円すらうまく描けない状態でしたが、その前向きに積極的に取り組む姿は素晴らしく、しばらくすると、見事な正方形や正六角形を描けるようになっていました。そして何より終始、笑顔で取り組んでいる様子がうかがえ、数学的に図形を描くことの楽しさを味わっていただけたのではないかと思います。そして最後には自分独自の家紋を描く先生も現れました。この楽しさをぜひ夏休み明けの授業で活かしていただければと思います。
ミクロネシアの第一印象
6月27日にミクロネシアに到着してからすでに10日もたってしまいました。連日、オリエンテーションや外務省、大使館等への表敬訪問、隊員総会などであっという間の10日間でした。
ミクロネシアに来てから初めての週末となった7月1日には、家族でポンペイ島の観光名所であるケプロイの滝とネッチポイントに訪れることができました。
赤道直下のこの国で、人々は様々な方法で暑さをしのいでいるようでした。
ミクロネシアの第一印象は「おだやか」の一言に尽きます。街中を歩く人々の速さも、走る車の速さもとてものんびりしていて、道路を横断する人を見かけたときに、車は必ず止まってくれます。歩行者最優先のルールが徹底しているようです。また、街中には多くの犬が放し飼いになっていますが、人間に襲い掛かるようなことはこれまで見かけていません。18年前に青年海外協力隊員として訪れたマーシャル諸島では、人に襲い掛かってくる犬をよく見かけたことに比べると、ミクロネシアでは犬まで穏やかに生活しています。
7月6日にはようやく私の職場であるポンペイ州教育局を訪れ、職員の皆さんに挨拶をすることができました。来週からいよいよ私の活動が本格的に始まります。できることから少しづづ、着実にこの国の数学教育に携わりたいと思います。